シニアがつけておきたい筋肉というテーマの記事は以前、下肢と体幹編ということで、2回ほど投稿しました。
今回は要望があったため上肢編ということで、上肢の中で鍛えておくべき筋肉をお伝えしていきます。
高齢者がつけておきたい筋肉【上肢編】

何度も話していますが、シニアの身体で1番重要になってくる筋肉は下肢筋力です。
これは大前提で、基本となる下肢をしっかり鍛えて、慣れてきたら体幹や上肢の運動をしてください。
上肢は、肩から指先の部位を示します。
なので比較的狭い範囲ではありますが、ポイントとなる筋肉は
- 上腕二頭筋
- 上腕三頭筋
- 前腕筋群
上記の筋肉が重要になってきます。
では、1つずつ解説していきましょう。
上腕二頭筋

(前面)
まずは、上腕二頭筋から。
肩甲骨から、付着している2つの筋肉から形成されています。
この筋肉はいわゆる力こぶの筋肉。
主な動作としては肘を屈曲。
女性でよく見られるのですが、カバンなどを腕に引っかけて持つ方がいます。
腕に引っかけた状態を保持する際に働くのが上腕二頭筋です。

重ければ重いほど、上腕二頭筋にかかる負担は大きくなります。
上腕三頭筋

(後面)
続いては、上腕三頭筋。
こちらは、上腕二頭筋の反対側にあり、二の腕の筋肉です。
なので主な作用としては、肘を伸展。
また、腕を引く時などにも作用します。
そして、日常生活に置いて上腕三頭筋というのは、使う機会が少ないのも特徴の1つです。
- 物を押す
- 肘を後ろに伸ばす
このような機会は意図的につくらないと訪れません。

なので、女性が

と言うのも納得ですよね。
使用頻度が少ないんだから、そりゃたるみます。
ただ、物を持つときなどに補助的に作用しますので鍛えておいても損はないかと思います。
前腕筋群

(前面)
最後は前腕筋群。
写真を見ての通り、前腕部(肘より下)は多くの筋肉が密集しています。
もちろん全部覚えることはありません笑
しかし、握力に大きく関わる筋肉ということは覚えておいてください。
握力に関わるということは、日常生活では
- タオルを絞る
- 蛇口をひねる
- ペットボトルの蓋を開ける
- ドアノブをひねる
など多くの動作を担っています。
個人的には、シニアにおいて上肢で1番重要な筋肉は前腕部なのではないかと思うくらいです。
僕のお客さまでも、握力や手首が弱くて生活に不便している方がいます。
日常生活において使用頻度も多い筋肉なので、鍛えておきたいところ。
握力を強くするエクササイズをいくつかお伝えします。
前腕強化エクササイズ
まずはペットボトルを使った内容から。
1.500mlペットボトルの真ん中を持ち、床と平行にする

2.手首を手前に引きそのまま5秒ほどキープ

※ペットボトルがつぶれない程度に軽く握ってください
続いてはタオルを使った内容です。
1.タオルの両端を持ち、肘を伸ばす

2.両手を使って、タオルをひねる

雑巾絞りの動作になります。
そのまま日常生活で行なう動作をエクササイズとして使う方法です。
そして、この雑巾絞りの動作は以前お伝えした4大骨折の記事で、コーレス骨折の予防法としても解説しました。
手首の筋肉と握力は、重複しています。
雑巾絞りは、骨折の予防エクササイズにもなります。
日常生活に対してのアプローチを意識する

今回は、シニアがつけておきたい筋肉【上肢編】というテーマでお伝えしました。
上肢で鍛えておくべき筋肉は
- 上腕二頭筋
- 上腕三頭筋
- 前腕筋群
上記の3つになります。
シニアにおいて筋肉を鍛えるということは、日常生活を楽にすること。
見せかけではありません。
重要なのは機能性です。
それを踏まえて上肢の3つの筋肉の中で、優先順位をつけるとしたら
- 前腕筋群
- 上腕二頭筋
- 上腕三頭筋
上記の順番でアプローチしていきます。
やはり、日常生活において握力や手首の機能は必須です。
なので、手首に違和感を持っている方には前腕部からアプローチをして下さい。
しかし冒頭でもお伝えしましたが、全身の中で重要なのは下肢筋力です。
下肢→体幹→上肢
上記の順番でアプローチをしていくことをオススメします。