高齢者の運動指導の悩みの1つ。

このように悩んでいる方は結構います。
特に介護施設に勤めている介護職員の方などが多いと感じます。
何かの繋ぎで体操しておいてと言われてもどうしたらいいのかわからない。
反応が悪くて、早く終わらしたいから急ぎ足になってしまったなど。
今回は、僕がいつも実施しているオリジナルメソッド【百寿体操】で実施している体操の進め方をお伝えしていきます。
目次
シニアの体操の進め方をお伝えします
まず、僕の活動を簡単に紹介されてください。
僕は現在、シニアの自立した生活をサポートするために地域の施設で、体操教室を開催しています。
千葉にある3つの施設で、それぞれ週1回、合計で週3日シニアに体操をしています。
その体操のメソッドは、デイサービスに勤めていた時に実施していた体操を参考にアレンジして、百寿体操と命名して開催しています。
(現在、商標登録の申請中です)

主に筋力低下の予防と認知症の予防を掲げており、下肢を中心とした筋力トレーニングと脳トレーニングを取り入れた内容になっています。
柔道整復師の資格を活かして、鍛えるべき筋肉や動かすべき関節など、解剖学や運動学に基づいて作りました。
体操の流れは下記の通りです。
- 準備体操
- 持久力トレーニング(座位)
- 脳トレーニング
- 筋力トレーニング(立位)
- レクリエーション
- 整理体操
上記の内容で休憩を挟みながら、1時間20分程度でかけて行っています。
1つずつポイントをお伝えしながら解説していくので、ぜひ参考にしてください。
準備体操(10分)
まずは、準備体操。
筋肉を温めるために10分くらいかけて行ないます。
ただ相手はシニア。
いきなり大きな動きは痛みの原因になりますので、無理のない範囲で実施しています。
また本来ならラジオ体操のような、動きがある動作を入れるのが基本ですが、シニアなので下記のように静止して伸ばすストレッチなども取り入れています。

筋肉を温めるために無理のない範囲で少しずつ動かし、ストレッチも入れて伸ばす。
これを準備体操の目的として行なっています。
持久力トレーニング(10分)
持久力トレーニングは、文字通り筋肉の持久力を上げるために行ないます。
長い距離を疲れることなく歩くためには筋肉の持久力は欠かせません。
ポイントは低負荷で高回数行なうこと。
低負荷で連続して動かして、適度な疲労感を引き出します。
下記の動画のようなリズムに合わせて動かしてください(画質悪くてすいません(>_<))
このような連続した動きをゆっくりとしたペースで始め、慣れてきたら少しずつスピードを上げます。
脳トレーニング(15分)
続いては脳トレーニング。
筋肉を休ませるという意味もかねて、脳を使った複雑な動きや瞬発的な動きをします。
例えばこちらの、両手を使った左右非対称の動きだったり
下記のような後出しじゃんけんで瞬発力を高めたり
このように、出来そうでなかなか出来ないといった内容を取り入れながら実施しています。
脳トレのポイントは、出来そうで出来ないこと。
難しすぎると諦めてしまう人も出てくるので、

といったくらいの負荷で行なうことがポイントです。
この脳トレーニングは、盛り上がる運動のひとつです。
筋力トレーニング(10分)
筋力トレーニングは立位で行ないます。
- アキレス腱のストレッチ
- つま先とかかとの上げ下げ
- ランジ
- スクワット
- 肩甲骨回し
内容は変えていますが、上記のように下肢から上肢にかけて、1つずつ鍛えていきます。

介護施設の場合、立位でのトレーニングになると、身体状況によっては難しい方も出てくると思います。
そういった場合は、座位でゆっくりと動かすだけでも、しっかりと筋肉を刺激することが出来るので、状況を見て実施してください。
ちなみに、シニアが最低限鍛えておきたい筋肉を知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。
立位で実施する一番のメリットは、
自分の体重を負荷に出来ること
また、バランス感覚も養えるので、体幹のトレーニングにもなります。
レクリエーション(15分)
僕が考えるレクリエーションの目的は、
コミュニケーションの活性化です。
このようにボールを使いながらコミュニケーションをとって、参加者同士が仲良くなってもらうという狙いがあります。
そして僕自身、このレクリエーションに一番力を入れています。
ぶっちゃけ、筋力トレーニングなどで他の体操との差別化をするのは難しい。
なのでレクリエーションのバリエーションや楽しませ方は、いつも試行錯誤しており、多くのコンテンツを構築しています。
整理体操(5分)
そして最後は整理体操。
座位で行いますが、クールダウンなので活発な動きはなく、下記のようなストレッチを時間をかけて行なっています。

最後の整理体操の目的は、疲労を最小限に抑えること。
ゆっくりとした呼吸を行ないながら、リラックスしながら行ないます。
休憩は2回ほど
休憩は、5~10分で2回ほど設けています。
持久力トレーニングの後と、筋力トレーニングの後です。
しかし、ガチガチに時間を管理しているのではなくて、参加者同士の会話が盛り上がっている時は長めにとり、早く始めたい様子だったら短縮するといった感じで、調整しながら設けています。
夏場は、暑いので3回以上設ける時も。
脱水に注意して、こまめに休憩は取ってください。
まとめ
このような流れで毎回進めています。
体操の内容は、飽きないように変えながら行なっていますが、鍛えたい部位や動かしたい関節は押さえて実施しています。
誤解を恐れずに言わせていただくと、なぜ間が持たないのかわからないと言ったところです。
体操のストックが少ないことも一つの原因かもしれませんが、タイムスケジュールを決めておかないことも一つの原因かもしれません。
僕が実施している百寿体操は休憩含めて1時間20分くらいなので、介護施設によっては長いと感じるところも多いと思います。
時間を短縮して実施してもいいので、どの内容をどこに組み込み、どれくらい実施するのかというのを決めておくことをオススメします。
百寿体操のタイムスケジュールが少しでも参考になれば幸いです(^^)