転倒で起こる4大骨折【予防法も含めて解説】

運動指導

 

介護の現場で、転倒などの事故はあってはいけません。

そのためにリスクマネジメントをしておく必要があると以前の記事でお伝えしました。

【事故って学んだ】介護予防におけるリスクマネジメント

 

怖いのは、

介護の現場以外で転倒、骨折をしてしまうこと

 

今回は、シニアの転倒によって起こる4大骨折とその予防エクササイズをお伝えします。

 

シニアの転倒で起こる4大骨折

 

シニアの転倒で起りやすい骨折は

  • 上腕骨外科頚骨折
  • 胸腰椎圧迫骨折
  • 大腿骨頚部骨折
  • コーレス骨折

上記になります。

これは高齢者の4大骨折とも言われています。

 

頻度が多い順に並べると

大腿骨頚部骨折>胸腰椎圧迫骨折>上腕骨外科頚骨折>コーレス骨折

といった順番に。

大腿骨頚部骨折と胸腰椎圧迫骨折は、同じくらい高頻度になりますね。

 

この骨折をしてしまうと今後の生活にも大きく関わってくることが多いので、骨折しないように予防することが、重要になってきます。

 

骨折の種類と予防法を1つずつ解説していきます。

 

大腿骨頚部骨折

 

 

まずは、大腿骨頚部骨折。

転倒によって、大腿骨を強打して発症します。

 

では、大腿骨頚部とはどこなのか?

 

こちらの赤い矢印のところ。

ここを転倒でぶつけてしまい、折れたりヒビが入ったりしてしまうことを大腿骨頚部骨折と言います。

 

もちろん、転倒時は痛みを伴います。

そして、痛みに加え歩行障害も起こります。

 

治療法は手術がほとんどで、人工関節をいれることで改善していくケースがほとんどです。

 

ただ手術をしても

全く痛みがとれないよ

という方も多く見てきました。

 

こればっかりは手術をしてからではないとわかりません。

なので、当たり前ですが骨折をさせないことが重要になってきます。

 

予防エクササイズ

予防としては、大腿骨の筋肉を強くすること

これがポイントになってきます。

 

手っ取り早い予防法として、ボールを使ったエクササイズをオススメしてます。

 

 

1.椅子に座りボールに足を垂直に乗せる

 

2.ボールを踏むように真下に押す

※これを10回ほど繰り返す

 

3.次は、垂直に乗せたまま膝の曲げ伸ばしを行なう

※伸展時つま先を上に向け、これも10回ほど繰り返す

 

また、合わせて殿筋部の強化にもなるのでオススメです。

 

胸腰椎圧迫骨折

 

 

続いては胸腰椎圧迫骨折

 

これは、背中の胸の後ろにある背骨と、腰の後ろにある背骨が圧迫されて潰れてしまう骨折のことを示します。

 

画像でいうとこちらの部位です。

 

この骨折は別名いつの間にか骨折とも言われており、転倒以外にも

  • くしゃみをした時
  • 咳をした時
  • 寝返りをうった時
  • 椅子に座った時

このような日常生活の何気ない動作で折れてしまうこともあります。

 

なので、最初は

最近腰が痛いなー

くらいの感覚なのですが、病院行ってレントゲン撮ったら折れていたというケースが多いです。

 

文字通り、いつの間にか骨折してしまっているのです。

 

治療法もこれといったものがなく、

コルセットで固定

といった処置がほとんどです。予

防していくためにも腰回りをはじめとする体幹の強化が必須です。

 

予防エクササイズ

 

まずはボールを使った内容から。

 

1.椅子に座り浅く腰掛け、背中と背もたれの間にボールを入れる

 

2.息を吐きながら、背中でボールをつぶすように寄りかかる

※これを10回ほど繰り返してください

 

続いてはタオルを使います。

 

1.タオルの両端を持ち、肘を前方に伸ばす

 

2.肘を前方に伸ばしたまま、軽く腰を捻る

※痛みのない範囲で反対側も同様に行なう

 

過度な動きにならない範囲で行なうことがポイントです。

 

上腕骨外科頚骨折

 

 

続いては上腕骨外科頚骨折について。

上腕骨外科骨折は、肩の付け根の骨折をイメージしてください。

 

外科頚とはこちら

 

転倒や強打によって、この矢印の部分にヒビが入って骨折します。

 

また、転倒時に手をついた衝撃がこの外科頚部に響き、骨折してしまうといったケースも多いです。

 

症状としては、

  • 疼痛
  • 可動域制限
  • 変形

などがあげられます。

 

予防法は肩まわりと腕の筋肉を強くしておくことが必須になります。

 

予防エクササイズ

 

まずは、タオルを使ったエクササイズから。

 

1.タオルの両端を持ち縦にして構える

 

2.タオルを上下入れ替えるように腕を捻る

※タオルの真ん中を支点として左右交互に行なっていく

 

続いてはボールを使った予防法をお伝えします

 

1.ボールを片手で持ち、肘を伸ばす

 

2.肘を曲げながら肩を後ろに引く

※可能であれば、ボールが肩甲骨に触れくらいまで引く

 

コーレス骨折

 

最後はコーレス骨折

聞いたことない方も多いと思いますが、コーレス骨折の別名は橈骨遠位端骨折といいます。

 

では、橈骨遠位端とはどこを指すのか?

こちらの赤い矢印を示します。

 

手首の骨折だと認識してもらえればオッケーです。

 

手首が折れる時というのは、主に手を地面についた時

地面につくということは、転倒して咄嗟に手を出した時になりますね。

 

この骨折、実際に見たことがあるのですが、とにかく腫れが強い

そしてかなりの激痛を訴えていました。

 

治療は手術が一般的です。

 

予防は転倒しないことが大前提ですが、手首を強くしておくことも重要なので、手首の強化をしていくためのエクササイズをお伝えします。

 

予防エクササイズ

ポイントとなるのは、手首まわりと握力の強化

手をついても折れない、強い手首をつくることが重要です。

 

1.タオルの両端を持ち、肘を伸ばす

 

2.両手を使って、タオルを強く捻る

※いわゆる雑巾絞りです。捻って緩める動作を繰り返し行なってください。

 

続いてもタオルを使うのですが、指先を動かしていきます。

下記の動画をご覧ください。

 

動画のように5本の指をまんべんなく動かすことで、握力の強化にもつながります。

少し腕が疲れるくらいの負荷で行なうのが理想です。

 

重要なのは転倒しないこと

 

今回は、シニアの転倒で起こる4大骨折といったテーマでそれぞれの骨折の特徴と予防法をお伝えしました。

 

それぞれの部位に対しての強化エクササイズでしたが、重要なのは

 

転倒しないこと

 

これが最も大切です。

転倒しないための、下肢筋力や体幹の強化は欠かせません。

【介護予防】高齢者が体操でつけておきたい筋肉3選【体幹編】

【介護予防】転倒予防のために押さえておきたい筋肉【4選】

【介護予防】高齢者が体操でつけておきたい筋肉5選【下肢編】

それを鍛えた上で、部位別のエクササイズを取り入れてください。

 


 

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