介護予防をしたいなら、柔道整復師はいりません【柔整はオワコン化しつつあります】

運動指導

僕は高校卒業後、柔道整復師の資格をとるため、東京の医療専門学校に通っていました。

資格取得後、デイサービスと整骨院で機能訓練指導員をしていたのですが、治療よりもシニアの運動指導の方が面白いと思い、独立をしました。

ぶっちゃけ、ここまで来るのに柔道整復師の資格はそんなに重要ではなかったと思っています。

今回は、このことについて掘り下げてお伝えしていきます。

柔整師に興味がある方、介護予防をするために資格を取ろうか考えている方、参考にしていただければ幸いです。

 

介護予防をしたいなら、柔道整復師はいりません


介護予防をしたいなら、柔道整復師の資格はいりません。

柔道整復師になるくらいなら、理学療法士や作業療法士の資格を取得することをオススメします

理由は、リハビリに特化した資格だから。

柔道整復師は医療系の国家資格ですが、治療をするために取得する人がほとんどです。

柔道整復師の最終的なゴールは、自分の整骨院を持つこと

ここに焦点を置いて、勉強に励んでいる方が多数です。

最近ではデイサービスに参入している柔道整復師も増えてますが、認知度的には整骨院の方がまだまだ多いです。

そんなことを言うと

あんち
お前だって柔道整復師やないかいー!

と言われそうですが、確かに僕は柔道整復師です。

しかし、今は全くその資格を生かして稼いでいません。

理由はシンプルに治療よりも介護予防の方が面白かったから

資格に捉われてやりたい事が、出来なくなるなんて不幸すぎると思っています。

介護予防をしっかり学びたいなら理学療法士や作業療法士へ


先ほどもお伝えしましたが、介護予防や機能訓練をしっかりと学んでいきたいなら、理学療法士作業療法士になることをオススメします。

理由は2つあると考えています。

学習時間が圧倒的に違う

理学療法士や作業療法士になるために、最低でも養成学校には3年通わないといけません。

これの期間は柔道整復師も同じです。

詳しくはこちらの記事をご覧ください。

介護現場で活躍できる国家資格【一覧】

しかし、授業数、つまり学習時間が圧倒的に違うのです。

3年制の柔道整復師の専門学校は、大抵の場合1日2限です。

僕が在学していた専門学校は、

1限目:13:30~15:00

2限目:15:15~16:45

これで終わりです。

これを3年間繰り返すだけで受験資格が得られるんだから、ホントにゆるゲーです。

対する、理学療法士や作業療法士はどうなのか?

某専門学校の時間割を見てみると

1限目:9:00~10:30

2限目:10:40~12:10

3限目:13:00~14:30

4限目:14:40~16:10

このような時間割になっており、これが月曜から金曜日まで続きます。

さらに受験資格を得るには、臨床実習という実際に現場にいって実習を受けないといけません。

その実習で鬱っぽくなって帰ってきた友達が過去にいました笑

しかし、現場で実際にリハビリ等を学生のうちに学べるというのは、大きなメリットでもあると思います。

この比較からもわかるように、理学療法士や作業療法士は柔道整復師の2倍の勉強をしています。

これだけでも、知識量が圧倒的に違うのは一目瞭然ですね。

もちろん、職種が違うと言ったらそこまでなのですが、医療人としての知識は理学療法士や作業療法士の方が多いのは間違いないです。

 

収入が違う

新卒で、介護の現場でもらえる給料にも違いが出てきます。

柔道整復師が機能訓練指導員として働ける主な現場はデイサービスです。

僕の初任給は、額面で19万円。手取りだと15万円でした。
そしてその額は、退職するまでにの4年間、ほとんど上がりませんでした。

しまいには無資格の介護職員の方が多くもらうという謎の現象w

こちらの記事にも載せてありますので、合わせてご覧ください。

対する理学療法士や作業療法士はどうなのか?

職場にもよりますが、平均は23万円と言われています。

仮に自分と同じで4万円引かれたとしても手取りは19万円

4万円も差がでます。

新卒で4万円はかなりデカい(;_:)

 

やはり、介護予防、機能訓練指導員として活躍したいなら理学療法士や作業療法士になるべきです。

柔道整復師が働けるデイサービスはかなり厳しくなっている


柔道整復師が機能訓練指導員として活躍できる現場は、主に運動型デイサービスになります。

運動型デイサービスということは、運動が目的なので割と身体的には元気な人が多いです。

しかし、行政は

ぎょうせい
身体状況の重い人のサービスを優先させよう!

と考えており、要支援などの軽い人が利用できるサービスは、減ってきています

そうなると事業所に入ってくる介護報酬も、自ずと減ってきます。

おそらく、これからも間違いなく厳しくなっていくでしょう。

そんな職場で、柔道整復師の僕は機能訓練指導員をしていました。

綱渡りのような経営をしており、未来がないことも目に見えてわかりました。

雇用者として期間を決めて、勉強のために機能訓練指導員として働くのはアリだと思いますが、長く続けられる仕事ではないので、しっかりと先を見据えて働くことをオススメします。

整骨院を開業したい方は柔道整復師に


僕が考える柔道整復師の魅力は、整骨院という看板を出して開業が出来ることだと思っています。

整骨院または接骨院という看板を出せるということは、医療保険を使って事業が出来ることを意味します。

(医療保険もカオス化されて、クソ厳しくなっていることは割愛しますが笑)

 

本来、柔道整復師というのは骨折や脱臼などの外傷を腕ひとつで治療するの職業でした。

例えば、極論ですが骨折した骨を合わせたり、脱臼した肩を元の位置に戻したり。

そういう医療行為が出来る人、それが柔道整復師でした。

しかし今は、マッサージ屋さんと同じだと思っている人が多くなっています。

それもそのはず。骨折をした場合、整骨院に行くよりも整形外科に行く人がほとんどなのだから。

リラクゼーションサロンみたいになってしまっても無理はないと思います。

 

話はそれましたが、柔道整復師は整骨院や接骨院として開業したい人が取得する資格です。

まとめ

今回は、介護予防をしたいなら柔道整復師ではなく、理学療法士や作業療法士になることをオススメしますと言った内容でお伝えしました。

しかし以前もお話しましたが、介護サービスだけが介護予防だとは僕は思っていません

保険外でも、要介護状態にならないための活動をしているなら、それも立派な介護予防だと僕は思っています。

そして、保険外でお役に立ちたいという人は、このような医療資格すら必要ありません。

やり方によっては、そっちの方が大きく稼げたりもします。

資格を何となく取りにいくのではなく、自分は何がしたいのか、逆算して決めていくことをオススメします。