全員に尽くさず、まずはたった1人のシニアに全身全霊を尽くすべきです。

運動指導

施設にいる全員のシニアをよくする必要はありません。
まずは、たった1人のシニアに全身全霊を尽くしましょう

いきなり本質的なお話です。

過去の僕は、

てつろー
ここに来てる利用者たち全員を向上させてやるぜ!

と意気込んでいました。
23歳くらい、入社当時ですね。

しかし、新卒の素人の機能訓練指導員がそんなことをしたらどうなったか?

容易に想像つきますよね。
ソッコーでパンクしました。

何をやっても空回り、知識や技術だって中途半端

そんな状態じゃ、シニアも良くなるはずがありません。

途方に暮れた僕は、割り切って

てつろー
仲の良い○○さんだけを元気にすることに専念してみるか

と開き直りました。
そしたらなぜか突破口が見えて、気がつけば多くの人の役に立てるようになりました。

今回は、1人に全身全霊を尽くす重要性を深掘りしてお伝えしていきます。

まずはたった1人のシニアに全身全霊を尽くすべきです。

目の前にいる多くのシニアに対して、すべて良くしていくのは不可能です。
あれもこれもそれもと欲張るのはコスパが悪い上に、すべて中途半端で終わってしまいます。

まずは、1人に絞って全身全霊を尽くす
その過程で得られるものは大きいです。

1つずつお伝えしていきます。

1つの疾患に対してめちゃくちゃ詳しくなれる

まずは、何と言っても専門力が磨かれます。
良くしたいという1人の利用者さまのアセスメントシートを読んで、既往歴を一つずつ勉強していきます。

ここで押さえておくべきポイントは

  • いつ発症したのか
  • 現在の症状はどれくらいか
  • 再発する疾患なのか
  • 可動域に影響は?

上記の4つを押さえた上で学びます。
もちろんアセスメントシートだけでなく、しっかりとコミュニケーションを取りながら深掘りしていきます。

最終的に本人はどうなりたいのかを押さえておくことも重要ですね。
ある程度、情報が揃ったら勉強していきます。

具体的に当時の僕が1人に絞った人は、脳卒中の片麻痺の人でした。

  • 2年前に脳出血で左片麻痺
  • 自力歩行困難で、9割方車椅子での生活
  • 再発の可能性はあるが、必要以上に気をつける必要はない
  • 左肩の挙上、左膝の伸展で痛みあり

上記のような感じでアセスメントシートとヒアリングを通して、大まかな情報を把握しました。

大事なのは、ここから自分には何ができるか

それぞれ役職があるため、出来る範囲や内容というのは変わってきます。
だからと言って何も出来ないわけでもありませんよね。

それを踏まえた上で、学んで貢献していくことが重要です。

ここで自分が学んだのは、

・脳出血のメカニズム、原因、症状など

・麻痺を持っている方の歩行訓練の方法

・上肢の可動域を痛みなく向上させる方法

このようなことを専門書や一般書、セミナーなどで惜しみなく学びました。

めちゃくちゃ詳しくなる→自分に出来ることは何かを問う→実践する

というのが大まかな流れになります。

そして大前提として信頼関係を構築しておくこと。
シニアと信頼関係を構築する方法はこちらの記事をご覧ください。

シニアとの会話でこれだけは押さえておきたいマインド

同じような疾患を持った方が来た時、スムーズに対応が出来るようになる

先ほどお伝えした、

めちゃくちゃ詳しくなる→自分に出来ることは何かを問う→実践する

というサイクルを繰り返していくと、同じような疾患を持った利用者さまが来てもスムーズに対応が出来るようになります

先ほどの麻痺の方の例で例えると、その方は80代半ばで車椅子。

麻痺の症状もかなり強い方でした。
しかし、麻痺の人すべてが重い人ばかりではありません。

自力歩行している方だっていっぱいいるし、在宅で生活している人だっています。
そして、最初の方に比べ介助が楽に感じスムーズになる。

このように一つの症状を徹底的に覚え込むことで、その後の対応もビックリくらいスムーズに出来るようになります

これも中途半端に覚えず、最初に学びまくった効果だと僕は思います。

最初の1人は自分が1番好きな人でいい

では、最初の1人はどうやって決めるか?

単純に自分が好きな人にしてください。
疾患で決めるのではなくて、好きな人を選びます。

運動指導をする上で

元気になってもらいたいという気持ちは欠かせません

なので1番想いの強い人=好きな人をまずは決めて全身全霊を尽くしてください。

しょくいん
仕事なんだから、全員に尽くせよ

と思う方もいるかもしれませんが、まずは1人に絞ることをオススメします。

1人に絞り、全身全霊を尽くすことが結果的に最短で、大きく貢献できる方法だからです。

無理をせず、自分の職種やキャパを考えながら実施してください

そのような感じで、まずは1人を良くするために深く学びました。
1度、要領をつかんでしまうと2人目以降もスムーズに対応できるようになります

しかし、介護の現場での役割はそれぞれ違うと思います。

なので自分の職種とキャパを考えて出来る範囲で貢献してください。

ちなみに自分はこれが出来なかったため、キャパオーバーで壊れましたw

いろいろ調べた上でわからないことがあれば、専門の人に相談すればいい。
僕も移乗介助が苦手だったので、よく介護職員に聞いていました。

全身全霊を尽くすことが重要です。

しかし自分の身体が壊れない範囲で、まずは利用者さまを喜ばせてください。