介護の現場において、運動器疾患を持っているシニアの方が多数います。
運動器疾患まではいかなくても、どこかしらに痛みを持っている方は必ずと言っていいほどいます。
その中でも、特に多いのが変形性膝関節症。
しかし現場では
とわからない介護職員が多くいます。
実際に僕が以前働いていたデイサービスもそうでした。
介護職員はおろか管理者までも
みたいな状態でした。
これって非常にもったいないと僕は思っています。
専門家ではないとはいえ、変形性膝関節症はかなり多いので最低限の症状は把握しておいてほしいというのが機能訓練指導員の本音です。
今回は、介護職員向けに変形性膝関節症についてお伝えしていきます。
押さえておきたい高齢者に多い運動器疾患【変形性膝関節症】
冒頭でもお伝えしましたが、変形性膝関節症を患っているシニアはかなりいます。
どこの施設も、必ずと言っていいくらい患っている人はいると思います。
今回は、変形性膝関節症の特徴と症状をお伝えしていきます。
介護職員向けに、出来るだけ専門用語等は控えて咀嚼してお伝えしますので、医療家の方などは専門書などをご覧ください。
変形性膝関節症のメカニズム
変形性膝関節症とは、膝の軟骨である関節軟骨が擦れてしまい痛みを引き起こす症状です。
具体的に画像を使って説明すると
上記の画像が膝関節。
そして、
この関節の間にある軟骨が関節軟骨と言います。
上からの見ると、
この白い部分になります。
この関節軟骨が擦れてしまい、痛みを引き起こす疾患が変形性膝関節症と言います。
軟骨はいわゆるクッションのような働きをしているとイメージしてください。
このクッションが擦れてなくなってしまうと、骨がむき出しになってしまいに触れてしまい痛みを引き起こしてしまいます。
擦れてしまった骨は修復が出来ないので、擦れないように予防していく必要があります。
変形性膝関節症の症状
様々な動作で痛みを引き起こしますが、僕が現場でよく見てきた痛みを引き起こす動作は下記のとおりです。
- 階段下降時
- 長時間の歩行
この時に痛みを訴えるという方を多く見てきました。
どちらも筋力が弱いと引き起こしやすいです。
階段下降時
これは、階段を降りる時に下げている方の足ではなくて残している方の足、踏ん張っている方の足に痛みが出ます。
筋力が弱いため、踏ん張りがうまく効かないケースです。
長時間の歩行
長時間の歩行で痛みを起こしてしまうというのも、筋力が関係しているケースが多いです。
特に筋力の持久力、筋持久力が弱いと長い距離の歩行で痛みが出てしまうことがあります。
この2点が、僕が現場で痛みを引き起こすケースですが、この程度ならまだマシな方。
本当に悪い場合は、起ち上がり時や歩き出した直後に痛みを訴える方もいるからです。
修復は難しいけど、予防はまだ出来るといった段階です。
治療法
変形性膝関節症の治療法は大きく分けて3つです。
- 薬物療法
- ヒアルロン酸注射
- 手術
上記の3つが主な治療法になります。最終手段は言うまでもなく手術をすること。これは極力避けたいですね。
そして手術をしたからと言って、必ずしも良くなるとは限りません。
僕がデイサービスで働いている時、痛みに耐えられず手術をしたのですが失敗いしてしまい、両下肢麻痺になってしまった方がいます。
本人は手術をしなきゃよかったと後悔していました。
なので、治療法はお医者さんや家族とよく話し合って決めるべきだと僕は思っています。
まとめ
今回は押さえておきたいシニアに多い運動疾患の1つ、変形性膝関節症についてお伝えしましたが、放置していると非常に危険な疾患だと僕は感じています。
女性に多く、特に肥満気味の人が多発する傾向があります。
なのである日突然、膝の痛みを訴えだしたら、まずは整形外科の受診をすすめてください。
と落ち込むことはありません。
軟骨が擦れても、膝の痛みは運動で予防することが出来ます。
だからこそ、早めに診断を受けてリハビリに勤めるようにお伝えしてあげて下さい。