この記事は、高齢者のお客さまに
「自宅で出来るトレーニングを教えてほしい」
と言われた方や、
「自宅でも、簡単な運動をしてほしい」
と思っている方向けの記事になります。
運動意欲の高い利用者さんの中には、

と聞いてくる方がいます。
しかし、自宅で1人で運動をすると、転倒のリスクが大きくなることも。
独居の方の転倒ほど、怖いモノはありません。
今回は、このリスクも踏まえて、自宅でも安全に出来るトレーニングをお伝えしていきます。
高齢者が、自宅で安全に出来るトレーニング
まず、自宅で安全にトレーニングをしてもらうために、押さえておきたいことは、
- カンタンな動作から行なう
- 低負荷で実施してもらう
ということ。
複雑な動きだと、間違ったフォームで実施して、痛みを引きおこしてしまう恐れがあります。
また、負荷が強い内容も同様のことが言えます。
今回は、難易度を分けてお伝えしますので、参考にしてみてください。
難易度 ★☆☆
まずは、負荷も低く、誰で出来る内容から。
椅子座位の自体重で出来るトレーニングになります。
肩甲骨回し
1.肘を軽く曲げて、脇を開く

2.肘で円を書くように肩甲骨を回していく

※イチ、ニで前回し、サン、シで後ろ回し。
これを8拍2回繰り返してください。
肩甲骨から動かすことがポイントです。
つま先の上げ下げ
1.足を前に出して、腰幅程度に開く

2.つま先を天井に向け、ゆっくりと下ろす

※つま先は、出来るだけ上を向くように上げて、10回ほど繰り返しください。
かかとの上げ下げ
1.つま先の上げ下げとは逆で、足を後ろに引く

2.かかとをゆっくりと上げて、下ろす

※上げすぎると、ふくらはぎがつれてしまう恐れがあるので、やりすぎには気をつけてください。
足踏み
肘を大きく動かしながら、テンポよく足踏みをします。


10~20回程度を目安に行なってください。
難易度 ★☆☆
- 肩甲骨回し
- つま先の上げ下げ
- かかとの上げ下げ
- 足踏み
まずは、準備体操で行なうような、低負荷な内容から実施していきます。
難易度 ★★☆
先ほどお伝えした3つの運動に余裕があったら、次にいきます。
続いては、道具を使ったトレーニングで、負荷を少し上げた内容になります。
広背筋トレーニング
1.タオルの両端を持ち、軽く脇を開いて、胸の前で構える
(肩甲骨を内側に寄せる)
2.斜め上に挙上し、肘を伸ばす

※背中が丸くならないように気を付けて、5~10回ほど繰り返しください。
タオル捻り
1.タオルの両端を持ち、縦にして構える

2.捻じりながら、上下を入れ替える


※支点はタオルの中心として、ブレないように気をつけながら行なってください。
タオルまたぎ
1.タオルを横にして床に置き、足を左右交互に出してまたぐ
2.前後同時に入れ替える
3.タオルを縦にして床におき、膝を上げて横にまたぐ
※それぞれ、10回ずつ行なってください。
難易度 ★★☆
- 広背筋トレーニング
- タオル捻り
- タオルまたぎ
タオルを使い、自体重で行なうよりも、負荷を強くすることが狙いです。
難易度 ★★★
座位の体操が物足りない場合は、立位で実施します。
しかし、立位になることで
- 転倒
- 関節の痛み
上記のリスクも高くなりますので、気を付けて実施してください。
スクワット
1.背もたれを持ち、足を腰幅に開いて立つ

2.お尻を下げながら、膝を曲げて重心を落としていく

※膝がつま先より前に出ないように気を付けて行なってください。
まずは、ゆっくりと5回、余裕があったら10回を目安に実施します。
ランジ
1.横を向き、背もたれを片手で持つ

2.片足を前に出し、軽く膝を曲げる

※左右それぞれ、5回ほど繰り返します。
ランジもスクワットと同様で、膝がつま先よりも前に出ないように気を付けて実施してください。
左右のストレート
1.横を向き、片手で背もたれを持つ
2.足を出すと同時に反対の手も前に伸ばす
※肩甲骨から動かすことを意識することで、肩と足を同時に鍛えることができます。
難易度 ★★★
- スクワット
- ランジ
- 左右のストレート
立位で行なう場合は、必ず手すりなどを持ちながら行なってください。
まずは座位から

今回は、高齢者が、自宅で安全に出来るトレーニングといったテーマで、
- 自体重(座位)
- タオルを使った内容(座位)
- 立位でのトレーニング
といった内容で、難易度を分けて解説しました。
他にもトレーニングはたくさんありますが、最初のうちは座位だけで十分です。
また、スピードを変えたり、回数を増やすだけで筋肉にかかる負担は大きくなるので、無理して次のステップにいく必要はありません。
「自宅でも運動したい!」
というやる気は、しっかりと認めつつも、無理のない範囲で出来る内容をお伝えしてください。