高齢者が、自宅で安全に出来るトレーニング【10選】

筋肉

 

この記事は、高齢者のお客さまに

自宅で出来るトレーニングを教えてほしい

と言われた方や、

自宅でも、簡単な運動をしてほしい

と思っている方向けの記事になります。

 

運動意欲の高い利用者さんの中には、

自宅でも出来る体操を教えてほしい

と聞いてくる方がいます。

しかし、自宅で1人で運動をすると、転倒のリスクが大きくなることも。

【重要】運動時のシニアにおける3つのリスク

独居の方の転倒ほど、怖いモノはありません。

今回は、このリスクも踏まえて、自宅でも安全に出来るトレーニングをお伝えしていきます。

 

高齢者が、自宅で安全に出来るトレーニング

 

まず、自宅で安全にトレーニングをしてもらうために、押さえておきたいことは、

  • カンタンな動作から行なう
  • 低負荷で実施してもらう

ということ。

複雑な動きだと、間違ったフォームで実施して、痛みを引きおこしてしまう恐れがあります。

また、負荷が強い内容も同様のことが言えます。

今回は、難易度を分けてお伝えしますので、参考にしてみてください。

 

難易度 ★☆☆

まずは、負荷も低く、誰で出来る内容から。

椅子座位の自体重で出来るトレーニングになります。

 

肩甲骨回し

1.肘を軽く曲げて、脇を開く

2.肘で円を書くように肩甲骨を回していく

※イチ、ニで前回し、サン、シで後ろ回し。
これを8拍2回繰り返してください。

肩甲骨から動かすことがポイントです。

 

つま先の上げ下げ

1.足を前に出して、腰幅程度に開く

2.つま先を天井に向け、ゆっくりと下ろす

※つま先は、出来るだけ上を向くように上げて、10回ほど繰り返しください。

 

かかとの上げ下げ

1.つま先の上げ下げとは逆で、足を後ろに引く

2.かかとをゆっくりと上げて、下ろす

※上げすぎると、ふくらはぎがつれてしまう恐れがあるので、やりすぎには気をつけてください。

 

足踏み

肘を大きく動かしながら、テンポよく足踏みをします。

10~20回程度を目安に行なってください。

 

難易度 ★☆☆

  1. 肩甲骨回し
  2. つま先の上げ下げ
  3. かかとの上げ下げ
  4. 足踏み

まずは、準備体操で行なうような、低負荷な内容から実施していきます。

 

難易度 ★★☆

先ほどお伝えした3つの運動に余裕があったら、次にいきます。

続いては、道具を使ったトレーニングで、負荷を少し上げた内容になります。

 

広背筋トレーニング

1.タオルの両端を持ち、軽く脇を開いて、胸の前で構える


         (肩甲骨を内側に寄せる)

 

2.斜め上に挙上し、肘を伸ばす

※背中が丸くならないように気を付けて、5~10回ほど繰り返しください。

 

タオル捻り

1.タオルの両端を持ち、縦にして構える

2.捻じりながら、上下を入れ替える

支点はタオルの中心として、ブレないように気をつけながら行なってください。

 

タオルまたぎ

1.タオルを横にして床に置き、足を左右交互に出してまたぐ

2.前後同時に入れ替える

3.タオルを縦にして床におき、膝を上げて横にまたぐ

※それぞれ、10回ずつ行なってください。

難易度 ★★☆

  1. 広背筋トレーニング
  2. タオル捻り
  3. タオルまたぎ

タオルを使い、自体重で行なうよりも、負荷を強くすることが狙いです。

 

難易度 ★★★

座位の体操が物足りない場合は、立位で実施します。

しかし、立位になることで

  • 転倒
  • 関節の痛み

上記のリスクも高くなりますので、気を付けて実施してください。

機能訓練指導員が見てきた、高齢者に多い転倒シーン

 

スクワット

1.背もたれを持ち、足を腰幅に開いて立つ

2.お尻を下げながら、膝を曲げて重心を落としていく

膝がつま先より前に出ないように気を付けて行なってください。

まずは、ゆっくりと5回、余裕があったら10回を目安に実施します。

 

ランジ

1.横を向き、背もたれを片手で持つ

2.片足を前に出し、軽く膝を曲げる

※左右それぞれ、5回ほど繰り返します。

ランジもスクワットと同様で、膝がつま先よりも前に出ないように気を付けて実施してください。

 

左右のストレート

1.横を向き、片手で背もたれを持つ

2.足を出すと同時に反対の手も前に伸ばす

※肩甲骨から動かすことを意識することで、肩と足を同時に鍛えることができます。

難易度 ★★★

  1. スクワット
  2. ランジ
  3. 左右のストレート

立位で行なう場合は、必ず手すりなどを持ちながら行なってください。

 

まずは座位から

 

今回は、高齢者が、自宅で安全に出来るトレーニングといったテーマで、

  • 自体重(座位)
  • タオルを使った内容(座位)
  • 立位でのトレーニング

といった内容で、難易度を分けて解説しました。

他にもトレーニングはたくさんありますが、最初のうちは座位だけで十分です。

また、スピードを変えたり、回数を増やすだけで筋肉にかかる負担は大きくなるので、無理して次のステップにいく必要はありません。

【介護予防】運動効果を得たいなら、定期的な負荷の見直しは必須です

 

自宅でも運動したい!

というやる気は、しっかりと認めつつも、無理のない範囲で出来る内容をお伝えしてください。