先日、損害保険大手の損保ジャパンが、2020年までに従業員4,000人を削減し、業務効率化を図るという報道が流れました。
しかし、削減と言ってもリストラではなく、介護の子会社に配置転換をするということが柱になるそうです。
参照:損保ジャパン、4000人削減=ITで効率化、介護分野などに配転(時事通信) – Y!ニュース
それが大きな波紋を呼んでいるので、深掘りしていきます。
介護への異動という労働搾取
まず、今回の損保ジャパンのとった削減策をまとめると
- 2020年までに全従業員の15%にあたる4,000人を削減
- 人件費など約100億円を圧縮することが狙い
- 希望退職は募らない
- 4,000人の受け皿は介護などの子会社
というのが主な対策です。
希望退職を募らないということは、自主退職をすることになるので、退職金も出ないようです。
この削減策に対して、損保ジャパンの従業員は
と激おこです。
そりゃそうですよね、介護をやるために保険会社に勤めているわけではないのだから。
大手の保険会社ですら、従業員削減に踏み込まなくてはいけない時代になってきてるのがわかりますね。
人員削減は珍しいことではない
そもそも銀行などの金融業界が人員削減をすることは、今の日本の経済を考えれば珍しいことではありません。
日本屈指の大手企業であるトヨタ自動車ですら、
終身雇用は難しくなっている
と言っているのですから。
ある程度、覚悟をして仕事をしないといけないといけません。
そして、今回の4,000人の人員削減も、時代の流れからして、遅かれ早かれ起こりうることだと思っていました。
AIに任せられることがあれば、そっちをフル活用した方がコスパがいいですしね。
経営としては健全な判断だと思います。
問題は介護への配置転換
波紋を呼んでいるのは、削減ではなく介護の子会社への配置転換。
損保ジャパンは、SOMPOケアという介護サービスを提供しています。
参照:SOMPOケア
数年前に「ワタミの介護」を買収し、現在は全国に400以上のサービス付き高齢者住宅を構えています。
損保ジャパンの4,000人の従業員はこの介護の子会社に異動を命じられているのです。
これに対して従業員は
とやりきれない気持ちでいます。
しかも、対象となるのは40~50代のベテラン勢。
年収は、250万円近く下がると言われています。
希望退職を募っていないため、
みたいな状態になっています。
辞めてくれたら人件費の削減になるし、介護に異動してくれたら人手不足の解消になる。
会社側からしたら、リスクなんて何もありません。
どちらに転ぼうがメリットしかないのです。
損保ジャパンといったら、大手の保険会社。
4,000人の中には東大卒レベルの高学歴もいます。本当に終身雇用なんて無理ゲーになってきてますね。
介護は誰でも出来るというイメージ
日本の介護業界は人が足りていないからか「誰でもできるというイメージ」が根付いています。
本当はそんなことはないのだけど。
介護の仕事というのは、発電や水道みたいなインフラ系の仕事と同じように、なくてはならない業種だと思っています。
しかし、人手が足りないので積極的に採用していくしかない。
だから、誰でも出来るといったイメージがあるのかもしれません。
誤解を恐れずに言うと、誰でも出来る仕事なのかもしれません。
しかし、長く続けていくことは誰でも出来るわけじゃないと思います。
それを言ったら、他の業種も当てはまるのですが介護業界は
- 忍耐力
- 適応力
この2つが特に必要とされるお仕事だと感じています。
辞めてしまう人の中には、鬱っぽくなって辞めてしまう人も結構いるし。
今回の損保ジャパンの削減は、
- 人件費を浮かせたい
- 介護の人手不足の解消に少しでもなればラッキー
といった意図で行なわれました。
辞めることになったとしても、会社の思うつぼなのです。
保険屋になりたくて入った人材が、介護で頑張れる気もしませんが(^^;
個人で稼ぐスキルが重要です
今回は、損保ジャパンの削減と介護業界への異動についてお話してきました。
損保寄りで話をしてきましたが、業務の自動化の見込みが出来たから、このような削減に至ったのだと思っています。
AIが普及されることは、素晴らしいことだと思います。
あらゆる仕事をAIがやってくれるのだから。
しかし、AIに仕事を奪われて自分に何も残らなかったらマジでオワコンです。
会社に所属しているうちはいいけど、辞めた時に備えて自分で稼ぐスキルを身につけておかないとヤバいですね。
東大卒ですら、切られる時代なのだから。
もしものことに備えて今からスキルをつけていくことをオススメします。
個人で活動している僕も、うかうかしていられません。
ブログというスキルを身につけるために、毎日更新、試行錯誤をこれからも繰り返していきます。